音・画像解析で利用するPythonライブラリとライセンス規約

 
騒音計、振動計の波形データ解析では、C、C++、Python、MatLab(or GNU OCTAVE)などの開発言語、ライブラリがよく用いられます。その中でもPythonは、音・画像・動画の解析ライブラリが充実しています。
 
今回は、AI、機械学習などで脚光を浴びているPythonとライブラリのラインセンス規約を調査しました。

 
まずはPythonライブラリ群を確認してみましょう。
 

 
この中のPython、解析処理でよく利用されるnumpy、Sciypy(サイパイ)、グラフ表示部に利用するMatプロットライブラリのライセンスについて調査しましたので紹介します。
 

 Pythonのライセンス

Pythonのリリースは全てオープンソースであり、PSFライセンスとして配布される。
PSF(Python Software Foundation)とはプログラミング言語であるPythonを事業対象とした非営利団体Pythonソフトウェア財団の略称である。

Pythonはソースコードを商用、非商用の目的を問わず利用、修正、配布することを許し、それを利用する個人や団体の努力や利益を遮ることのないソフトウェア開発の手法を取り入れている。

PSFライセンス
商用利用 改変 配布 派生物に別のライセンスを課す ライセンスと著作権表示
可能 可能 可能 可能 必須

 

 Python標準ライブラリのライセンス

  1. Wave
  2. Audioop
  3. Logging
  4. Os
  5. Datetime 等

Pythonのライセンスと同様にPSFライセンスで利用可能。

PSFライセンス
商用利用 改変 配布 派生物に別のライセンスを課す ライセンスと著作権表示
可能 可能 可能 可能 必須

 

 Python標準ライブラリ以外のライセンス

  1. NumPy
  2. SciPy
  3. Matplitlib
  4. GUIライブラリ等

ライブラリによってはPSFライセンスと異なるものがついている。1つ1つ紹介する。

~NumPyのライセンス~

NumPyはプログラミング言語Pythonにおいて数値計算を効率的に行うためのモジュール。
効率的な数値計算を行うための型付きの多次元配列のサポートをPythonに加え、それらを操作す
るための大規模な高水準の数学関数ライブラリ。NumPyの詳細

NumPyのライセンスは、以下の三条項BSDライセンス(BSD 3-Clause)として配布される。

  • 利用するBSDライセンスのソフトウエアに記載された、著作権表示、BSDライセンス条項、免責事項を見えるところに記載すれば、変更の有無に関わらず利用/再配布が可能
  • 書面による許可なしに本ソフトウエアから派生した製品の宣伝や販促に、本ライセンス記載の組織やコントリビューターの名前を使うことは禁止
  • 商用利用の際に「この製品が使用している〇〇というモジュールは□□さん(開発者)が作ったもの」というような宣伝文句を書いてはいけない
  • 本ソフトウエアの作成組織、作成者は何ら責任を負わない

 

三条項BSDライセンス(BSD 3-Clause)
商用利用 改変 配布 派生物に別のライセンスを課す ライセンスと著作権表示
可能 可能 可能 可能 必須

~SciPyのライセンス~

SciPyはプログラミング数学、科学、工学のための数値解析ソフトウェアでオープンソース。
Windows等を含むOSで動作するSciPyはPythonのための科学的ツールのオープンソース・ライブラリとして開発されている。SciPyの詳細

NumPy同様、三条項BSDライセンス(BSD 3-Clause)として利用可能。

三条項BSDライセンス(BSD 3-Clause)
商用利用 改変 配布 派生物に別のライセンスを課す ライセンスと著作権表示
可能 可能 可能 可能 必須

~Matplotlibのライセンス~

Matplotlibはプログラミング言語Pythonおよびその科学計算用ライブラリNumPy等のため
グラフ描画ライブラリ。
オブジェクト指向のAPIを提供しており、様々な種類のグラフを描画する能力を持つ。
また、wxPython,Qt,といった一般的なGUIツールキット性のアプリケーションにグラフの描画機能を組み込むこともできる。Matplotlibの詳細

Pythonと同様、PSFライセンスに基づいている。Matplotlibライセンスのリンク

PSFライセンス
商用利用 改変 配布 派生物に別のライセンスを課す ライセンスと著作権表示
可能 可能 可能 可能 必須

 

 まとめ

Python、MatplotlibライブラリはPSFライセンス、NumPyライブラリ、SciPyライブラリは、BSD 3-Clauseライセンス。両ライセンスともに商用利用問題なし。ただし、Pythonを使用してライブラリ自体を変更した際は、変更した個所を示しソースコードを開示する必要がある。

参考URL:
オープンソースライセンス比較用早見表
ライセンスの選択を恐れる必要はありません

 

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