ソフトバンクグループの孫正義社長は2月8日、決算発表の席上で、サウジアラビアと計画している10兆円規模の投資ファンドが近く発足する見通しになったと明らかにした。
同ファンドを通じて医療など新事業に投資先を広げる可能性を示した。
世界中のVCの運用額が合計で650億ドル。ソフトバンクが設立するファンドは1000億ドル超えを目指す。
孫社長は『今までの医療はバイオ技術が中心だったが、これからはディープラーニングを使ったものになる。』と説明した。
記 事
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感 想
日本一の経営者、孫正義。(これは賛否両論あると思いますが、私が勝手にそう思っているだけ)
今回の件は、彼のスケールの大きさを物語っている事例であろう。
情報のインフラを作る事を掲げていたソフトバンクが次の力を入れる事業を見つけた。
それが、AIである。ディープラーニングの出現により孫氏の考えが変わった。(ここは推測) ペッパーを作ったり、アーム社を買収したのは、この後の世界の主役となるAIにいち早く名乗りを上げるため。
アーム社は、LSI(集積回路)を作っている会社で、世界No1のシェアを握っている。
多くのモバイル製品がアーム社設計チップを採用しており、「世界中のスマートフォンの97%がアーム社設計チップを搭載している」(孫氏) という。
孫氏は恐らく以下の2点を狙って約3兆3000億円もの大幅投資を行い、アーム社を買収したのであろう。決してIPのライセンス料や、チップやウェハーのロイヤリティだけが目的ではない。
- IoT時代到来にそなえ、その頭脳に位置するマイクロチップを抑えるため。各メーカーはソフトバンクに逆らうと、マイクロチップを機器に搭載できなくなる。つまり実質的な覇権を握ったも同然となる。
- LSI(集積回路)の構造は、脳の仕組みに非常に似ている。その圧倒的シェアを手中にする事で世界中の脳をコントロールする事が出来る。ちなみに、ムーアの法則によりLSIが脳を超えるのは時間の問題だと言われている。2018年頃。
次の記事を見てみればわかるが、2013年から孫さんは、このことを講演で話している。アーム社の買収は決してIoTブーム、AIブーム到来の流れからではない。
講演で孫は半導体技術の近未来を予測している。
人間の脳細胞をトランジスタに換算して300億個相当になると述べ、1チップLSIが搭載するトランジスタの数が300億個を越える時点を2018年としている。
即ち、今から5年後だ。このように孫は半導体技術を信頼し、かつ大きく期待している。LSIがこのような規模になった暁にはどんなインパクトを社会に与えるのだろうか?講演の主旨はむしろこのテーマにあった。
2018年に達成される300億トランジスタで構築する1チップLSIは将来の重要なテーマである。孫は、迷った時ほど遠くを見よ、と心から考えている、と話した。だから遠くを見ている、例えば30年後の世界はどうなるかを考えている。いま、50歳以下の人なら健康に生きて30年後を経験できるはずだ。
参考:300億トランジスタからなる1チップ LSIは脳に匹敵
いずれにせよ、Yahoo!、アリババ、スーパーセルなどに大型投資して、そこからスケールさせ、うまく収益を上げている。実例を挙げてみれば、彼の先見の明は天才的だ。彼は、今後もまちがいなくAI・ディープラーニングに大型投資をするであろう。
時代の流れに取り残されないよう、会社・個人ともにAIを取り入れていく必要がある。